オバマ政権下のITマネジメント改革†
2.2. オープンガバメントの概略:透明性原則に基づく財政支出の公開†
オープンガバメント指令に含まれる4つのステップの内、ITマネジメント改革との関連が深いのは情報のオンライン公開とその質の向上である。この2つのステップに関し本稿執筆時点での公開状況を簡単にまとめる。
* * *
政府の情報をオンライン公開する†
公開された情報は次の3つの系統に区分できる。
- 政府支出の情報
- IT Dashboard ~連邦政府のIT支出およびIT投資情報の開示
https://www.itdashboard.gov/ - USASpending.gov ~連邦政府の行政業務に関わる支出情報の開示
http://usaspending.gov/ - Recovery.gov ~再生法(Recovery Act)*1関連の支出に関する情報の開示
http://www.recovery.gov/ - 地理情報や政府統計などの再利用可能なデータ類
- Data.gov
https://www.data.gov/ - 各省庁のオープンガバメント施策に関する情報
- Open Government Dashboard
http://web.archive.org/web/20140311043151/http://www.whitehouse.gov/open/around
これらはオープンガバメントの始まりとともに整備が進んだものであるが、上記以外にも政府支出や調達に関する情報を開示しているWebサイトが以前より存在している。例えば予算案はホワイトハウスのホームページから参照できるし、連邦政府の調達データについてはFPDS NG*2と呼ばれるサイト から参照できる。後述するようにUSASpending.govもオープンガバメントの開始以前、2007年末から開設されている。また、再利用可能なデータ類は地理情報と統計局の統計情報が大半を占め、オープンガバメント施策に関する省庁ごとのページも省庁によって充実度がまちまちであるなど、情報の質に関しては必ずしも一貫していない。
>>次ページ政府の情報の質を高める
- *1
- The Recovery Act
http://www.recovery.gov/arra/About/Pages/The_Act.aspx - *2
- FPDS NG : Federal Procurement Data System Next Generation
https://www.fpds.gov/