2013年03月24日

オバマ政権下のITマネジメント改革

3.4. ITダッシュボードとTechStatセッション:TechStatセッションの概要

TechStatは既に一定のコスト削減を実現している。CIO協議会による報告書から実績を振り返ると共に、同じ仕組みを利用したPortfolioStatについても簡単に紹介する。

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TechStatセッションによるコスト削減

TechStatセッションの実施状況を成果については、CIO協議会による振り返りの報告書*1が2011年12月8日付で発行されている。以下ではこの報告書の記載を下敷きとして、TechStatセッションの実施状況と実績について述べる。

TechStatセッションはフェーズ1とフェーズ2に分けて推進されている。フェーズ1は行政管理予算局主導によるセッションの実施であり、ITダッシュボード上の情報を元にして2010年1月に実施された。フェーズ2は各省庁の内部で実施するセッションであり、2010年12月のTechStatツールキットの公開を始点として現在に至るまで推進中である。その後、CFO法の適用を受ける24省庁に対し2011年3月までに少なくとも1回のTechStatセッションを実施することが求められ、21省庁がこの目標を達成した。残りの3省庁についても2011年5月までに目標を達成した。以後、これらの省庁は必要に応じて随時TechStatセッションを開催し、その結果を行政管理予算局に報告している。CIO協議会のベストプラクティス委員会ではこれらの動きを支援するためにTechStatワーキンググループを編成し、これを「ITガバナンスとTechStatに関する小委員会」と名付けた。

フェーズ1では行政管理予算局の主導により合計で60以上のTechStatセッションが開催された。結果としてIT投資プログラムの想定される総コストを30億ドル節約し、プログラムの成果物納品に至るまでの平均期間を24ヶ月超から8ヶ月に短縮したとされる。行政管理予算局ではこれらのセッションの実施によってフェーズ2における各省庁への展開の基礎となるノウハウを得た。尚、行政管理予算局主導のTechStatセッションは今後とも必要に応じて開催するとしている。

フェーズ2では前掲の報告書の時点で各省庁主導による294のセッションが実施され、9億ドルのコスト削減と6つのIT投資の停止に至った。2011年11月時点でのこれらの成果をコスト削減の内訳とともに表したのが次のグラフである。

TechStatセッションによるコスト削減

TechStatセッションによるコスト削減

重複の除去がコスト削減実績の約半分を占めることが興味深い。ただし一方で注意を要するのは、ここでいうコスト削減が、現在発生している実コストそのものの削減とは限らないことである。計画の引き直しや停止によって当初計画よりもライフサイクル全体でのコストが削減された場合のその削減額が実績には含まれる。


*1
“A Year in Review: Outcomes and Lessons Learned from Implementing Agency-Led TechStat Reviews Across the Federal Government”, (CIO Council, 2011/12/08)
https://cio.gov/wp-content/uploads/downloads/2012/09/techstatreport.pdf