Open Government

概要

オバマ政権の新機軸。「民主主義の強化」と「行政の効率効果向上」に向けて、オープンガバメントの三原則を2009年1月21日付けの大統領覚書で示した。

 第ー:「透明性(transparency)」
 第二:「国民参加(participation)」
 第三:「協業(collaboration)」

オープンガバメント実行ための行政管理予算局(OMB)による各省に対する指令が2009年12月8日に発出されました。これまでもいくつかすでに実行されているがいわばde facto。指令はこれを体系だてて全省庁で進めようというもの。OMBとGSAの協力のもと、指令の取りまとめにあたったのは、初の連邦CTOに任命されたAneesh Paul Chopra氏で、彼は大統領府科学技術政策局技術部門の副部長でもある。

指令に示された行程表は次のようになっている。

2010年1月22日 (指令後45日)各省庁は少なくとも3つのデータ系列の追加公表
2010年2月6日 (〃60日)各省庁のオープンガバメントのサイトオープン
3月19日まで国民の意見募集(アイデアボックス型)
2010年4月7日 (〃120日)各省庁のオープンガバメント計画発表

オープンガバメントとは別個の動きとして、オバマ政権では政府のIT改革(25 Point Implementation Plan to Reform Federal Information Technology)を推進している。これらは一見すると独立した取り組みであるが、興味深いのは、オープンガバメントの一環として公開されたIT Dashboardを起点として、政府内のIT投資見直しのためのセッションであるTechStatが実施され、ここからIT投資マネジメントの改善が試みられていることである。オープンガバメントはIT時代の民主主義のあり方に一石を投じるだけでなく、IT投資マネジメントに関しても新しい手法を提案している。

更に、1993年に制定されたGPRA(政府業績結果法)の改訂版となるGPRAMA(政府業績結果法近代化法)が2011年に制定され、IT投資に限らない行政業務一般について、同法に基づき目標と達成状況をPefromance.govにて開示する仕組みが整えられている。

参考資料

Open Government関連資料

IT Reform関連資料

オバマ政権オープンガバメント

Open Government Initiative

三原則の実行

三原則の課題

情報自由法(FOIA;Freedom of Information Act)

オバマ政権

ブッシュ政権

クリントン政権

本サイト管理者の評論

2009

2010

2012

  • GCLシンポジウム/R2Pシンポジウム "Social ICT × Open Data" (2012年3月18日)

2013

2014

  • 第二回オープンガバメントシンポジウム "社会的定着への課題" (2014年11月19日)

2015

  • 参加型オープンデータで日本を元気にするシンポジウム "Linked Open Data チャレンジ2015" (2015年9月26日)

2016

2017

  • オープンガバナンスの時代へ
    • 「行政と市民の『協働』で実現する『新しいデモクラシー』」NIRA 「わたしの構想」No.28 2017/03発行より

 昨今の内外情勢を見るとデモクラシーの近代的価値観に揺らぎすら感じられる。この流れを食い止めるには、社会に対する不満の解消としてのデモクラシーから、自ら責任ある社会をつくり上げる「新しいデモクラシー」に転換していくことが望ましい。 まず、市民は社会の合意形成に責任をもって関わり政策や社会課題に自主的に取り組む経験を積んで公共の大切さを自らのものにする必要がある。同時に行政をより開かれたものにし、「市民参加型社会」によるガバナンスつまりオープンガバナンスを築くことだ。行政はオープンデータだけにとどまらず、市民と行政の協働をめざさなければいけない。行政は始めから完璧な公共サービスや政策をつくろうとするのではなく、まずは「プロトタイプ(原型)」を示し、利用する人びとの反応をよく見て手直ししながら完成に近づけていくというデザイン思考の考え方を取り入れるべきだ。市民も自分たちの意見発信により、政策がよりよくなっていくことが実感できれば、主体的に地域のことを考えるようになっていく。「市民も変わる」「行政も変わる」の旗印のもと、行政は「透明」になり市民は「参加」をめざし両者が「協働」する。この三つがオープンガバナンスの原則である。デジタル時代を背景に実現可能となった「新しいデモクラシー」といえるだろう。 二〇〇九年にオバマ前アメリカ大統領が示した「オープンガバメント覚書」をきっかけに、この動きは世界的に広がった。オープンガバメントやその一部のオープンデータは行政発の色彩が強いが、オープンガバナンスは市民も主役である。日本でも全国で二五九の自治体がオープンデータに取り組み、一方、牧之原市(静岡県)のように市民との協働から入っている自治体もある。 しかし、地域によって取り組みにかなり温度差があるのが実情だ。首長や職員がイニシアチブを取って熱心に進めている自治体もあるが、これを属人的な取り組みではなく、持続性のある仕組みにしていかないといけない。市民の側でも、オープンデータの活用がアプリの開発などにとどまれば、市民の公共参加とはいえないだろう。データや情報の扱いにたけているエンジニアと、地域の課題解決に目覚めた市民が広がって連携することで、オープンデータからオープンガバナンスへ発展できる。
http://www.nira.or.jp/outgoing/vision/entry/n170310_842.html