2010年03月21日

PBAガイド

1.6. 概念:インセンティブ設計

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安く発注したい省庁と高く受注したい契約業者の間には根本的な利害の対立がある。よりよいパフォーマンスの実現に対して報奨金などを設定することにより、この対立を乗り越えて利害の方向を同調させる手法がインセンティブである。

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インセンティブの考え方

インセンティブは、パフォーマンス標準を上回る結果に対して報奨を設定することにより、契約業者の積極的な取組を引き出す手段である。狭義には定量的に決定可能な金銭的報奨がこれに該当するが、複雑な状況判断を必要とする場合の個別的な報奨金の設定や、許容品質水準を緩和するなどの措置、あるいは逆向きに働くペナルティなども合わせ、広く捉えることができる概念である。

インセンティブ設計が重視される背景には、発注側である政府機関と契約業者との間の利害の行き違いがある。基本的に、政府機関の側では少しでも安く調達を行いたいと考えるのに対し、契約業者の側では少しでも高く受注したいと考える。品質保証監視のような取組がある種の取り締まりによってこれを解決しようとするのに対し、両者の利害の方向を一致させることによって、解決を超えて更なる積極性を引き出すのがインセンティブの趣旨である。

2000年成立のPublic Law 106-398第821条は、サービスを調達する際に次のような順位でパフォーマンス基準契約を優先することを法的にも設定し、これに基づき連邦調達規則も改正された。(同規則37.102条(a)(2))

  1. 業務を特定した完全定額型パフォーマンス基準契約
  2. その他の全てのパフォーマンス基準契約
  3. 非パフォーマンス基準契約

パフォーマンス基準調達において、まず望ましいとされているのは完全定額型契約である。しかし第二優先順位に属するインセンティブも、連邦調達規則37.601(b)(3)で、適切な場合にはパフォーマンス基準契約に含まなければならない(shall)としている。