2010年03月21日

PBAガイド

4.2. 調達労働力の開発育成:調達コンピテンシ

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連邦政府では人材の持つ能力をスキルとコンピテンシに分けて整理している。スキルは資格などに相当する専門技能であり、コンピテンシは幅広く色々の業務における有能性に繋がる行動特性である。連邦調達研究所(FAI)では調達分野におけるコンピテンシをまとめている。

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スキルとコンピテンシ

コンピテンシとは、日本語で言えば職能=職務遂行能力という語に近い意味合いの用語である。但し、職能と言っても特定の専門的技能に限定するようなものではなく、専門的技能とともに、それを組織の中で有効に活かして高い業務実績を生み出す職員に共通して見られる行動特性を指す。従って、コミュニケーション能力や交渉力などを含めてコンピテンシとなる。調達労働力の問題を考える上では、職階制との対比においてコンピテンシの特徴がより明確になる。

連邦政府では人事政策の基本的な枠組みとして職階制が採用されており、職員は何らかの専門職に系統分類され、その系統の中で徐々に熟練度を上げて行くものとして管理される。例えばGS-1102という名の職階系統は契約業務を専門とするものであり、GS-1105は購買関連業務を専門とする職階系統である。職階制の下では職能は職階と結び付いて管理される。伝統的な定義による調達労働力とは、このような職階系統の内で特定の系統に属する職員を指すものであった。

しかし実際には、職階に関わらず契約と購買の両方に詳しい職員が調達の様々な側面に関与することや、あるいは近年では一般業務職管理系統の職員が調達業務の主要な役割を担う事例が多いとされる。このように現場ではしばしば職階の区分を超えて様々な人員が業務を担っている実態があり、これが一因ともなって、職階に基づいていた旧来の労働力調査が実態から乖離し、状況把握の信頼性が損なわれている。

コンピテンシは、こうした職階と並行して職員の職能を把握する体系であり、業務遂行の成功を大きく左右する行動特性を細かく分類し体系化した目録である。言わば、職階が特定の専門分野ごとに専門技能を系統分類した縦軸であるとすれば、コンピテンシは職階に関わらない観点から職能を系統分類した横軸となっている。職階系統とコンピテンシの両方を活用することで、より的確な労働力管理が可能となる。