2010年03月21日

PBAガイド

4.4. 調達労働力の開発育成:労働力アセスメント

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労働力アセスメントは現在の労働力構成を明らかにすることで、将来に向けた人的資本整備の戦略を組み立てる基盤となる。調達分野における労働力アセスメントは連邦調達研究所(FAI)によって多面的に実施されている。

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育成プログラムと並行として重要なのが労働力アセスメントである。労働力アセスメントは現在の労働力構成を明らかにすることで、将来に向けた人的資本整備の戦略を組み立てる基盤となる。連邦政府全体での調達労働力のアセスメントは連邦調達研究所によって長らく担われてきたが、政策指針05-01以来、その取組内容を発展させる取組が進められている。現在、連邦調達研究所による労働力アセスメントは次の3つの手段からなる。

年次労働力レポート

職階制に基づいた調達労働力の年次調査レポートである。1977年調査から現在に至るまで過去30年分のレポートがオンラインにて公開されている。#1調達に関連すると見なされる職階系統のそれぞれの等級に属する職員の数、年齢、性別、最終学歴、退職者数、新規雇用数などが収録されている。連邦政府内での調達労働力に関する長期統計では唯一無二の存在である。

しかしながら、調達コンピテンシの節でも述べたように、調達担当業務と職階の間の関連は必ずしも堅固ではない。例えば契約業務に関する専門技能は契約スペシャリストGS-1102と結び付いているが、一般調達庁ではGS-1102以外の職階系統に属する職員が契約担当官を務めているケースの方が多い。また、どの職階系統を調達労働力と見なすのかについても完全に一貫した基準が保たれているわけではなく、時代と共に変遷が見られる。

こうした状況から、年次労働力レポートは「調達諮問委員会による調査報告」の中では、最も狭義の定義に従って調達労働力の状況を把握する際の資料として位置付けられている。

調達キャリアマネジメント情報システム(ACMIS)

育成プログラムの管理と合わせ、調達の現場で各員が実際に果たしている役割に基づいて調達労働力を把握する試みとなるオンラインシステムである。#2本システムは調達に関わりを持っている職員に連邦調達認定プログラムの中での学習状況を自己申告させることによって情報収集を行う。情報入力を行わなければならない職員の定義が政策指針05-01に言う調達労働力に対応するため、このシステムに登録されている職員情報の全体が、実態を反映した調達労働力に一致するものとなる。また、本システムでは入力した学習状況に応じて今後の学習と訓練に関するガイダンスが表示されるため、学習目標の管理ツールとしても利用できる。#3

連邦調達研究所の記載によれば、契約業務と購買業務などの職階に属する職員が必ず本システムに情報を登録しなければならないだけでなく、散発的にしか契約に関与しない職員であっても情報を入力しなければならない。連邦認定政策指針05-01は本システムの開発を指示した他、各省庁で調達最高責任者(CAO)によって任命される調達キャリア管理者に、本システムに対しての情報収集を徹底させる責任を与えている。

本システムは2006年9月に稼動を開始したばかりの新しいシステムであり本格的な運用はこれからであるが、2007年に発行された最新の年次労働力レポートの中では今後の労働力調査の手段として期待が寄せられている。

契約業務コンピテンシ調査

契約業務担当の職員を対象にしたコンピテンシの獲得状況に関するオンラインアンケート調査である。#4調達コンピテンシの策定に合わせて新しく始められた試みであり、2007年春に最初の取組が実施された。対象は、政策指針05-01で拡張された調達労働力の定義に合致する職員の中で、契約業務を担当する職員である。*1アンケート内容はコンピテンシの一覧のそれぞれに対して自己評価による習熟度や業務への重要性評価を記入する形となっている。本調査は連邦調達政策部の資金提供の下で行われた。

本調査の結果報告を各省庁に通知した連邦調達政策部の覚書では、調査結果を参考にしつつ最高人事責任者(CHCO;Chief Human Capital Officer)と共に各省庁内でのコンピテンシの現状と将来における目標とを吟味し、ギャップ分析レポートと改善計画を人事管理局に2007年12月15日までに提出するよう求めた。

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以上の3つの手段を通じて職員の質と量に関する多面的な把握が行われることで「調達諮問委員会による調査報告」に指摘された現状把握の不備は大きく改善されるものと見られる。しかし年次労働力レポート以外の取組はまだ始まったばかりであり、その成否については今後の推移を見守る必要がある。


*1
尚、国防総省の管轄下にある職員は別の調査の対象となるため本件調査には含まれていない。

(参考文献)

#1
Annual Workforce Reports Archive (FAI)
https://www.fai.gov/drupal/community/workforce-reports-archive
#2
Acquisition Career Management Information System
http://www.acmis.gov/
2012年4月現在、ACMISの運用は停止している。
http://web.archive.org/web/20090420230140/https://www.acmis.gov/
https://www.gsaig.gov/?LinkServID=7E768C37-B39B-4B60-C42F6175A92D3862&showMeta=0
#3
"ACMIS Training Manual for Employees & Program Administrators", (2007/10/29)
https://www.fai.gov/pdfs/ACMIS%20Training%20Manual_2007-10-29.pdf
#4
ibid. #1