2010年03月21日

PBAガイド

4.5. 調達労働力の開発育成:調達労働力の現状

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労働力アセスメントの結果判明した調達労働力の現状は厳しいものである。調達に関連する大部分の専門職階系統において20%前後の職員が退職資格年齢に到達しており、今後もこの比率は上昇基調が続くと見込まれる。世代交代を進める必要性が滲む。

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以下では前節に述べた調査の結果判明した、連邦政府における最新の調達労働力の状況について述べる。まず、年次労働力レポートの結果は次の通りである。#1

  • 過去3年間の推移では調達関連の職階に分類される職員数は概ね横ばいとなっている。但し、職階系統別で見ると一般業務職系統以外では過去8年間で16%~20%、時には48%もの減少となっており、これを一般業務職系統の増加が補った形となっている。
  • 調達に関連する大部分の専門職階系統において20%前後の職員が退職資格年齢に到達しており、今後もこの比率は上昇基調が続くと見込まれる。代表的な専門職階系統である、契約担当官、購買担当官、産業専門官の3系統では過去15年来、一貫して平均年齢が上昇し続けており、産業専門官に至っては10歳近い上昇が見られる。
  • 過去3年間の推移では調達関連の職階に分類される職員の平均年齢は緩やかな若返りの傾向にある。また、一貫して大卒職員の比率は一貫して上昇しており、現在では7割の職員が大卒資格を有している。

続いて契約業務コンピテンシ調査の結果は次の通りである。#2

  • 平均的な契約担当者は50代前半の女性で、これから10年以内に退職資格年齢に到達する。連邦政府での勤務経験は20年以上、契約業務には11~20年携わり、民間での契約業務の経験も1~3年程度有する。また、大部分が契約担当官の職階系統での経験を有しているものの、様々な職階に属する職員が契約業務を担っている。
  • 最も高い水準のコンピテンシは次のようなグループに見られた。契約担当官および調達分析官、21年以上の勤続経験を有する職員、修士号または博士号を有する職員。
  • 注意すべき水準のコンピテンシの弱さは次のような領域に見られた。プロジェクトマネジメント、要件定義、財務マネジメント。これらは回答者自身が重要であると見なす領域に重なる。回答者自身が重要であると見なす領域には、これ以外に次のものが含まれる。パフォーマンス基準型調達の構成能力、効果的な要求管理、パフォーマンス指標を用いた効果的なパフォーマンスマネジメント、交渉能力、戦略立案能力、紛争解決能力。
  • 年次労働力レポートの結果と合わせると、中水準から高水準のコンピテンシを有する職員の相当量が、今後10年以内に調達労働力の範囲外になる。

専門技能を備えた労働力が徐々に細り高齢化を迎え、他方で一般業務職系統の職員が調達業務の様々な場面への関与を深めている傾向が読み取れる。また、契約そのものだけでなくマネジメントと多種多様な状況に対処する能力が必要であることが実態としても認識としても浮き彫りになっており、調達業務が深い経験と高度な能力を必要とする複雑な業務であることを滲ませている。

労働力の問題は一朝一夕に解決できるものではなく、今後の息の長い取組努力が必要であろう。政策指針05-01を始点とする様々なプログラムはようやく道具立てが揃ったところであり、各省庁が昨年暮れに提出した人的資本整備の戦略が実行に移されるのはまだまだこれからである。


(参考文献)

#1
"Annual Report on the Federal Acquisition Workforce FY2006", (FAI, 2007/05) link
#2
"The 2007 Federal Contracting Workforce Competencies Survey", (OFPP, FAI, 2007/10/17) link